動画を止めた瞬間に泣く。
ゲームを終わりにしようとすると、怒って動けなくなる。
「あと1回だけ」が何回も続いて、親のほうが疲れてしまうことがありますよね。
スマホ、タブレット、テレビ、ゲーム。画面のある遊びは楽しいぶん、終わりにする場面で親子のぶつかり合いが起きやすいです。
でも、やめられない姿だけを見て「わがまま」「約束を守れない」と決めつけなくて大丈夫です。
発達がゆっくりな子や発達凸凹のある子にとって、楽しいことを途中で止める、次の行動へ気持ちを移す、終わりを受け入れることは、思っているより大きな負担になることがあります。
この記事では、動画やゲームをやめられない子への関わり方を、家庭でできる小さな工夫に分けて整理します。
やめられないのは「約束を破りたい」からとは限らない
画面の遊びは、子どもにとって分かりやすく、楽しく、刺激が強い時間です。
好きなキャラクターが出てくる。次の場面が気になる。ゲームなら「あと少しでクリアできそう」と感じる。
その途中で急に「終わり」と言われると、頭と気持ちが追いつかない子もいます。
特に、次のようなことでつまずきやすいです。
- 終わりのタイミングが分からない
- 楽しい気持ちから切り替えるのに時間がかかる
- 次に何をするか見通しが持てない
- 負けたまま、途中のまま終わるのがつらい
- 「今すぐやめて」という言葉が強く聞こえる
親の声かけが悪いからでも、子どもが困らせようとしているからでもありません。
まずは、やめさせる前に「終わり方を見える形にする」ことから始めてみます。
最初の目標は「すぐやめる」ではなく「終わりを知る」
動画やゲームの悩みでは、つい「言ったらすぐやめてほしい」と思います。
でも、切り替えが苦手な子にとって、すぐに止めることはかなり難しい目標です。
最初は、こんな小さな目標で大丈夫です。
- 終わりの5分前に知らせる
- タイマーを一緒に見る
- 最後に見る動画を先に決める
- ゲームの区切りを大人と確認する
- 終わったあとにすることを1つだけ決める
「すぐやめられたか」だけで見ると、親も子どもも苦しくなります。
まずは、終わりが近づいていることを知る、終わったあとに戻る場所がある、という経験を作っていきます。
家庭でできる小さな工夫
1. 始める前に終わり方を決める
見始めてから、遊び始めてから終わりを決めると、子どもは納得しにくくなります。
始める前に、終わり方を短く伝えます。
- 「この1本で終わり」
- 「タイマーが鳴ったら終わり」
- 「このステージが終わったらおしまい」
- 「終わったらお茶を飲もう」
長い説明はいりません。
子どもが分かりやすい形で、終わりの合図をひとつにします。
2. 終わりを目で見えるようにする
「あと少し」は、大人には伝わる言葉でも、子どもには幅が広すぎることがあります。
時間の残りを目で見えるようにすると、終わりを受け入れる準備がしやすくなります。
- タイマーを子どもの見える場所に置く
- 時計の針や数字を一緒に見る
- 「あと1本」と紙に書く
- 終わったらカードを裏返す
- 次にすることの写真や絵を置く
ポイントは、親の声だけにしないことです。
タイマーやカードを間に置くと、親がずっと注意し続ける形になりにくくなります。
3. 終わったあとの行き先を用意する
画面をやめたあとに、急に「片づけ」「お風呂」「宿題」へ進むのは、子どもにとって段差が大きいことがあります。
まずは、間に小さな行動をはさみます。
- 水を飲む
- ソファに座る
- 深呼吸を3回する
- お気に入りのぬいぐるみを持つ
- 次の予定カードを見る
「やめたらすぐ次」ではなく、「やめたあとに落ち着く場所」を作るイメージです。
切り替えの途中に小さな休けいがあると、次の行動へ移りやすくなる子もいます。
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動画やゲームの終わりを見える形にしたいときは、視覚タイマーが助けになることがあります。声だけで伝えるより、残り時間を親子で一緒に確認しやすくなります。
声かけは短く、同じ言葉にする
終わりの場面で親がたくさん説明すると、子どもには「怒られている時間」に感じられることがあります。
切り替えの声かけは、短く、毎回同じ形にします。
- 「タイマーだよ」
- 「この1本で終わり」
- 「終わったらお茶」
- 「タブレットはここに置く」
- 「次はお風呂」
泣いたり怒ったりしたときも、説明を増やしすぎないほうが伝わりやすいです。
「約束したでしょ」と責めるより、合図に戻します。
「タイマーが鳴ったね。ここに置こう」
できたら、すぐに大きくほめなくても大丈夫です。
「置けたね」「終われたね」と、できた行動をそのまま言葉にします。
うまくいかない日の終わり方
どれだけ準備しても、泣く日、怒る日、なかなか終われない日はあります。
疲れている日、眠い日、予定が変わった日は、切り替える力が残っていないこともあります。
そんな日は、完璧に終わらせようとしなくて大丈夫です。
- 一度だけタイマーを見せる
- 画面を大人の近くに置く
- 次の行動を1つに減らす
- 落ち着くまで言葉を減らす
- 次回の始め方だけ見直す
「今日もだめだった」で終わらせるより、「次は始める前に終わりを決めよう」と小さく直します。
切り替えは、親の気合いだけで乗り切るものではありません。仕組みに助けてもらって大丈夫です。
注意したい関わり方
急に取り上げる回数を増やしすぎない
危険があるときは、大人が止める必要があります。
ただ、毎回急に取り上げる形になると、子どもは画面を守ろうとして、さらに強く反応することがあります。
できる日は、始める前の約束、途中の予告、終わりの合図をセットにします。
「もう一生見せない」と大きく言わない
親も疲れていると、強い言葉が出る日があります。
でも、大きな約束は続けにくく、次に使うときの不安も増えます。
「今日はここで終わり」「次はタイマーを使う」と、今日の終わり方にしぼるほうが続けやすいです。
きょうだいや友だちと比べない
同じ年齢の子がすぐにやめられると、焦る気持ちが出ます。
でも、比べる言葉は子どもの反発や不安につながりやすいです。
比べるなら、昨日のその子と比べます。
「昨日より早く置けた」「泣いたけれど戻れた」も、大事な変化です。
相談したほうがよいサイン
動画やゲームの切り替えは、家庭の工夫で少しずつ整うこともあります。
ただ、次のような状態が続くときは、小児科、発達相談、園・学校、療育先などに相談してください。
- 画面を止めるたびに激しいパニックが長く続く
- 睡眠、食事、登園・登校に大きく影響している
- 物を投げる、家族をたたくなど危険が増えている
- 親が疲れ切って、毎日の対応がつらい
- 家庭だけでルールを作っても続かない
「家で何とかしなきゃ」と抱え込まなくて大丈夫です。
画面との付き合い方は、子どもの発達、生活リズム、感覚、学校生活ともつながります。必要なときは、周りの大人と一緒に考えていきましょう。
今日からできる小さな一歩
次に動画やゲームを始める前に、終わり方をひとつだけ決めてみてください。
たとえば、「この1本で終わり」「タイマーが鳴ったら終わり」「終わったらお茶を飲む」。
そして、終わりの時間になったら、同じ言葉で短く伝えます。
「タイマーが鳴ったね。ここに置こう」
大きく変えようとしなくて大丈夫です。
動画やゲームをやめられない悩みは、親の声かけだけで解決しようとすると苦しくなります。
終わりが見える工夫、次に進む小さな行動、責めない声かけを少しずつ足していきましょう。
切り替えの関わり方をもう少し見たいとき
画面以外の遊びや活動でも切り替えが難しいときは、こちらの記事も参考になります。
→ 気持ちの切り替えが苦手なお子さんへの関わり方
まとめ
- 動画やゲームをやめられない背景には、終わりの見えにくさや切り替えの負担が関係することがあります。
- 始める前に「この1本で終わり」「タイマーが鳴ったら終わり」と決めておくと、親子で確認しやすくなります。
- 終わったあとに、水を飲む、座る、次の予定を見るなど、小さな行き先を用意すると切り替えやすくなります。
- うまくいかない日があっても、親が悪いわけではありません。家庭だけで抱え込まず、必要なときは相談して大丈夫です。

