子どもに感情的に怒ってしまうとき|怒る前の工夫と、怒ったあとの声かけ

落ち着いて子どもと話し直す親の、やさしい水彩イラスト 療育・発達の悩み

「早くして!」と言ったあと、子どもの顔を見て後悔する。
寝顔を見ながら、「明日は怒らないようにしよう」と思う。

そんな日が続くと、子どもと向き合うのがつらくなりますよね。

大切にしたいのは、怒りそうなときに少し間をつくること。そして、強く言ってしまったら、落ち着いて話し直すことです。毎日の中で試せる、小さな工夫を考えてみましょう。

怒りそうなときは、親の疲れにも目を向けて

朝の支度が進まない。夕飯の準備中に何度も呼ばれる。片づけたばかりの部屋が、また散らかる。

ひとつなら受け止められても、いくつも重なると声が大きくなることがあります。寝不足や空腹、時間に追われる焦りも、重なるとしんどいですよね。

「どうしてこんなに怒るんだろう」と自分を責める前に、「今日は休めていたかな」と振り返ってみてください。

発達がゆっくりな子や、得意なことと苦手なことの差が大きい子は、同じ説明でも分かりにくかったり、次の行動に移るまで時間がかかったりします。親の疲れと子どもの困りごとが重なると、お互いにつらくなります。

怒る前にできる、3つの小さな工夫

1.言葉が出る前に、ひと呼吸おく

「何回言ったら分かるの!」が出そうになったら、いったん口を閉じて、ゆっくり息を吐いてみます。水をひと口飲むのでもかまいません。

子どもが安全に過ごせていることを確かめてから、少し間をとります。そばを離れにくいときは、その場で息を整えるだけでも。

「今、イライラしているから、ちょっと落ち着くね」

こんなふうに短く伝えてもいいですね。すぐに説明や注意を始めなくて大丈夫です。

2.今、伝えることをひとつにする

「着替えて、歯を磨いて、かばんを持って!」
急いでいると、つい一度に言いたくなります。

そんなときは、「まず、この服を着よう」とひとつだけ。動けないときは、「服が見つからない?」「ボタンが難しい?」と、止まっているところを確かめてみます。

親も、全部を何度も言い続けるより、目の前のひとつにしぼったほうが対応しやすくなります。

3.ぶつかりやすい時間の予定を減らす

毎朝、出かける直前に怒ってしまうなら、服や持ち物を前の晩に出しておく。夕方に余裕がなくなるなら、その日の家事をひとつ減らす。

気持ちを抑える工夫だけでなく、焦る場面そのものを減らしてみます。

「今日は洗濯物を畳むのはあとにしよう」
「夕飯は手間のかからないものにしよう」

毎日のやることを少し減らして、親が息をつける時間もつくっていきたいですね。

怒ってしまったら、落ち着いて話し直そう

工夫していても、強く言ってしまう日はあります。そのあとは、親も子どもも落ち着ける時間をとってから、短く話しかけます。

「さっきは大きな声で怒って、ごめんね。あんな言い方をするべきじゃなかったよ」

謝るときは、「でも、あなたが言うことを聞かないから」と続けず、親の言い方について謝ります。

必要な約束は、分けて伝えられます。たとえば、おもちゃを投げた場面なら、こんな言い方です。

「大きな声で怒ったことは、ごめんね。おもちゃを投げると、当たってけがをするから、ここに置こう」

謝っても、守ってほしいことまで取り消す必要はありません。

子どもが黙っていても、すぐに返事を求めなくて大丈夫。「許してくれる?」と何度も聞いたり、無理に抱きしめたりせず、子どものペースを待ちます。

できないときも、大切に思っていることを伝える

子どもの自信を育てたいと思うと、「できたことをたくさんほめよう」と考えますよね。

それに加えて、失敗したときやうまくできないときにも、話を聞ける時間を持ちたいですね。

「うまくいかなくて、悔しかったんだね」
「今日は難しかったね。一緒に考えよう」

最後までできた日だけ、やさしくする。そんな形にならないように、途中で止まった日にも声をかけてみます。

自己肯定感という言葉は少し難しいですが、ここでは「うまくできない自分も、大切にしてもらえる」と思えることを大切にしたいです。

「やってみよう」を急がせなくていい

怒られた直後に「ほら、もう一回やって」と言われても、気持ちが追いつかないことがあります。まずは落ち着く時間をとりましょう。

もう一度取り組むときは、始め方を一緒に選んでみます。

「ひとりで始める? 最初だけ一緒にする?」
「今日はここまでにしようか」

片づけなら、おもちゃをひとつ箱に入れる。宿題なら、問題をひとつ一緒に読む。子どもが取り組めそうなところからで十分です。

まだ始められない日は、疲れていないか、何が難しいのかを確かめます。やる気が出る言葉を探し続けるより、休む時間が必要なこともあります。

ひとりで頑張りすぎないで

怒ることが増えて、自分でも止めにくい。休みたくても休めない。そんなときは、家族や園・学校の先生、地域の子育て相談に、今のしんどさを話してください。

「夕方になると余裕がなくて、強く怒ってしまいます。休める方法を一緒に考えてほしいです」

うまく説明できなくても、このひと言からでかまいません。

子どもをたたきそう、傷つけそうだと感じたときは、安全を確保して、すぐにほかの大人に助けを求めてください。

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今日からできる小さな一歩

今日は、怒りそうになったらひと呼吸おく。それをひとつ試してみませんか。

すでに強く言ってしまったなら、落ち着いたあとに「大きな声で怒って、ごめんね」と伝えるところから。

一度の声かけで、すべてが変わるわけではありません。それでも、次のやりとりを少し変えることはできます。親が休める工夫も一緒に探しながら、話し直せる時間をつくっていきましょう。

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