夏に冷たい飲みものを出すと、コップの中の氷が少しずつ小さくなっていきます。
子どもがじっと見ながら、こんなふうに聞くことがあります。
「氷って、どうしてなくなるの?」
氷がとける様子は、家の中で見られる身近な科学です。水、温度、時間の変化を、目で見て、手で感じて学べます。
この記事では、同じテーマを幼児向け・低学年向け・高学年向けの3段階に分けて紹介します。読み聞かせ、家庭学習、療育や支援の場で使いやすいように、声かけと活動例も入れました。
氷がとけるのは、なぜ?
氷は、水が冷えて固まったものです。
氷のまわりがあたたかくなると、氷は少しずつ水に戻ります。これが「とける」ということです。
冷蔵庫の外に出した氷、手のひらにのせた氷、暑い部屋に置いた氷は、まわりから熱を受け取ります。熱を受け取ると、かたい氷の形を保ちにくくなり、水へ変わっていきます。
つまり、氷がとけるのは「消えてしまった」のではなく、形が水に変わったということです。
幼児向け:まずは「小さくなったね」を楽しむ
親子の会話は、見えた変化をそのまま言葉に
幼児さんには、温度や熱の説明を長くするより、目の前で起きている変化を一緒に見る時間が合います。
氷を見ながら、こんなふうに話してみます。
- 「氷、つめたいね」
- 「だんだん小さくなってきたね」
- 「下に水が出てきたね」
- 「氷が水に変わったね」
「ちゃんと見て」「答えて」と急がなくて大丈夫です。さわる、見る、待つだけでも、子どもにとっては大事な観察になります。
遊びの例:氷を見守る
小皿に氷を1つ置いて、変化を見ます。
- 氷を1つ選ぶ
- 小皿に置く
- さわって「つめたい」を感じる
- 少し待って、小さくなったか見る
- 最後に、水になったところを見る
感覚が敏感な子は、直接さわらなくても大丈夫です。スプーンで動かす、コップ越しに見る、写真で見るなど、安心できる方法を選びます。
低学年向け:短く説明して、比べてみよう
子どもに伝えるなら、このくらい
低学年の子には、理由を短くまとめると入りやすくなります。
氷は、水が冷えて固まったものです。まわりがあたたかくなると、氷は熱を受け取って水に戻ります。
氷はなくなったのではありません。かたい氷から、液体の水に姿が変わったのです。
やってみよう:どこが早くとけるかな
氷を2つ使って、とける早さを比べます。大人がそばで見守り、ぬれてもよい場所で行います。
- 氷Aを日なたに置く
- 氷Bを日かげに置く
- 5分後に大きさを見る
- どちらが早く小さくなったか話す
- 「あたたかい場所」「すずしい場所」の違いを考える
文字を書くのが苦手な子は、丸をつけるだけで大丈夫です。「日なたの氷」「日かげの氷」を写真で残すだけでも、比べる活動になります。
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身近な「なんで?」を親子で広げたいときは、季節の図鑑や低学年向けの科学読み物があると、会話のきっかけを作りやすくなります。氷の観察のあとに、天気、食べもの、からだのふしぎへつなげる使い方もできます。
高学年向け:少し詳しく、熱と状態変化を考える
氷、水、水蒸気は、同じ水の仲間
水は、温度によって形を変えます。
冷やされると固体の氷になり、あたためられると液体の水になります。さらにあたためると、水蒸気として空気中に広がります。
このように、同じものが温度によって固体、液体、気体へ変わることを、状態変化と呼びます。
氷がとけるとき、熱はどこから来る?
氷がとけるとき、氷はまわりから熱を受け取っています。
手の上の氷が早くとけるのは、手が氷よりあたたかいからです。飲みものの中の氷がとけるのは、飲みものや空気から熱を受け取るからです。
反対に、冷凍庫の中ではまわりがとても冷たいので、氷は水に戻りにくくなります。
考えてみよう
- 同じ大きさの氷なら、日なたと日かげでどちらが早くとける?
- 大きい氷と小さい氷では、どちらが早くなくなる?
- 氷を布で包むと、とける早さは変わる?
- 飲みものに氷を入れると、飲みものが冷たくなるのはなぜ?
高学年の子には、「氷がなくなった」で終わらせず、熱の移動、温度、状態変化までつなげて考える活動もおすすめです。
家庭学習や支援の場で使うときの工夫
さわるのが苦手な子には、道具を使う
氷の冷たさやぬれた感覚が苦手な子もいます。
無理に手でさわらせず、トング、スプーン、小皿、透明なコップを使うと参加しやすくなります。
- 氷をスプーンで動かす
- 透明なコップの外から見る
- ぬれてもよいタオルを先に置く
- さわる時間を「1回だけ」にする
- 見る係、写真を撮る係、丸をつける係から選ぶ
感じ方は子どもによって違います。「さわれたか」より、「自分に合う参加のしかたを選べたか」を大切にします。
観察メモは、短く選べる形にする
観察メモは、長く書かなくても大丈夫です。
- つめたい、ふつう、ぬるい
- 大きい、小さい、水になった
- 早くとけた、ゆっくりとけた
- 手でさわった、スプーンで見た、見るだけにした
言葉で答えにくい子は、指さし、丸つけ、シールでも参加できます。観察の形を小さくすると、家庭学習や支援の場でも使いやすくなります。
安全面は先に整える
氷の観察は手軽ですが、床がぬれるとすべりやすくなります。小さな子が氷を口に入れないように、大人がそばで見守ります。
- ぬれてもよい机で行う
- 下にタオルを敷く
- 終わったら水をふく
- 口に入れない約束を先にする
- 寒がるときはすぐ終わる
安全の準備ができていると、子どもも大人も落ち着いて観察しやすくなります。
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まとめ
- 氷は、水が冷えて固まったものです。
- まわりがあたたかくなると、氷は熱を受け取って水に戻ります。
- 氷がとけるのは、消えるのではなく、形が水に変わることです。
- 幼児さんは、「つめたいね」「小さくなったね」から楽しめます。
- 低学年は、日なたと日かげでとける早さを比べられます。
- 高学年は、熱の移動や状態変化まで考えられます。
- 支援の場では、道具を使い、観察メモを選べる形にすると参加しやすくなります。
氷がとける様子は、夏の暮らしの中で何度も見られる小さな科学です。
コップの中の氷を一緒に見るだけでも、「水に変わったね」「どちらが早いかな」と親子の会話が広がります。無理なく、子どもに合う形で楽しんでくださいね。


