夏のプールや水遊びのあと、子どもが目をこすりながら聞くことがあります。
「どうしてプールの水って、目がしみるの?」
楽しく遊んでいたのに、目がチクチクしたり、赤くなったりすると不安になりますよね。
特に感覚が敏感な子は、少しのしみ方でも強く気になり、プールそのものが苦手になることがあります。
この記事では、同じテーマを幼児向け・低学年向け・高学年向けの3段階に分けて紹介します。読み聞かせ、家庭学習、療育や支援の場で使いやすいように、声かけと活動例も入れました。
プールの水が目にしみるのは、なぜ?
目の表面は、いつも薄い涙の膜で守られています。
プールで水が目に入ると、その涙の膜が流れたり、プールの水と混ざったりします。そのため、目の表面がいつもと違う感じになり、チクチクしやすくなります。
プールの水には、みんなが安全に遊べるように消毒のための成分が入っています。汗や汚れと混ざると、独特のにおいや刺激を感じることもあります。
つまり、目がしみるのは「泣き虫だから」でも「がまんが足りないから」でもありません。目が、水の変化を感じているサインです。
幼児向け:まずは「しみたね」と受け止める
親子の会話は、短く安心できる言葉で
幼児さんには、細かい説明よりも「わかってもらえた」と感じられる言葉が合います。
目をこすっているときは、こんなふうに声をかけます。
- 「目に水が入って、しみたね」
- 「こすらず、タオルでそっと押さえよう」
- 「一回お休みしようか」
- 「ゴーグルをつけると、入りにくくなるよ」
「大丈夫でしょ」「みんな平気だよ」と言うより、子どもの感じ方を一度受け止めるほうが、落ち着きやすくなります。
遊びの例:顔に水をつける前の練習
いきなり顔を水につけるのが苦手な子は、段階を小さくします。
- 手に水をつける
- ほっぺに少しだけ水をつける
- タオルでふく練習をする
- ゴーグルをつけて鏡を見る
- 水に入る前に「目をこすらない」を一緒に確認する
顔を水につけられなくても、プール遊びはできます。水に慣れる、道具を準備する、終わったらふく。そこまでできれば、十分な経験です。
低学年向け:短く説明して、やってみよう
子どもに伝えるなら、このくらい
低学年の子には、理由を短くまとめると入りやすくなります。
目は、涙で守られています。プールの水が入ると、涙の膜が流れたり、水の成分と混ざったりするので、チクチクしみることがあります。
しみたときに目を強くこすると、もっと痛くなることがあります。水から上がって、きれいなタオルでそっと押さえるほうが安心です。
やってみよう:プールのあとチェック
プールのあとに、短いチェックをします。文字を書くのが苦手な子は、丸をつけるだけで大丈夫です。
- 目は、平気、少ししみる、かなりしみるのどれ?
- ゴーグルは、つけた、途中で外した、つけなかったのどれ?
- 目をこすらずに、タオルで押さえられた?
- 終わったあと、顔を洗えた?
- 次は、どんな準備があると安心?
「できた・できない」だけで見ず、どの準備があると楽になるかを一緒に探します。
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プールの持ち物や終わったあとの流れを見える形にすると、見通しが立ちやすくなります。紙のチェック表をラミネートして使ったり、絵シールで「ゴーグル」「タオル」「顔を洗う」を選べるようにしたりすると、家庭や支援の場でも使いやすくなります。
高学年向け:少し詳しく、目と水のしくみを考える
涙は、目を守るうすいカバー
目の表面には、涙でできたうすい膜があります。涙はただの水ではなく、目を乾燥や刺激から守る役目をしています。
プールで目を開けると、その涙の膜が薄くなったり、プールの水と混ざったりします。目の表面がいつもと違う状態になるため、しみる、乾く、赤くなると感じることがあります。
においや刺激は、何からくるの?
プールの水には、細菌などが増えすぎないように消毒のための成分が入っています。
その成分が汗や汚れと混ざると、プールらしいにおいや刺激を感じやすくなることがあります。強いにおいがする場所では、目や鼻がいつもより気になる子もいます。
だからこそ、プールに入る前に体を洗うこと、目に水が入ったら休むこと、終わったあとに顔を洗うことが大切です。
考えてみよう
- ゴーグルをつけたときと、つけないときで違いはある?
- 目をこすったあと、しみ方はどう変わる?
- プール前にシャワーをするのは、なぜ大切?
- 水に顔をつけるのが苦手な子には、どんな準備があると安心?
高学年の子には、「プールが苦手」で終わらせず、目を守るしくみ、消毒の役目、準備の意味をつなげて考える活動もおすすめです。
家庭学習や支援の場で使うときの工夫
目がしみやすい子には、先に逃げ道を決める
プールは、音、水しぶき、着替え、においなど、刺激が多い場面です。目がしみることだけでなく、いくつもの苦手が重なってつらくなる子もいます。
- 水に入る前に、休む場所を決める
- ゴーグルをつける練習を家でしておく
- 目がしみたら、合図カードで伝える
- 顔をつけない遊びから始める
- 終わったあとの流れを写真や絵で見せる
がまんを目標にせず、「どうしたら参加しやすいか」を一緒に探します。
声かけは、責めない言い方にする
目がしみて泣いたり、プールに入りたがらなかったりすると、大人も困ってしまいますよね。
そんなときは、原因を決めつけるより、次の行動がわかる言葉にします。
- 「しみたね。まずタオルで押さえよう」
- 「今日は顔をつけない遊びにしよう」
- 「ゴーグルを直してから、もう一度考えよう」
- 「休んでから、見るだけでも大丈夫だよ」
子どもが安心して伝えられると、次の準備を一緒に考えやすくなります。
気になる症状が強いときは、無理をしない
少ししみる程度なら、休む、こすらない、顔を洗うことで落ち着くことがあります。
一方で、痛みが強い、赤みが続く、見え方がいつもと違う、涙が止まらないなどの様子があるときは、無理に活動を続けず、大人が早めに相談先を考えます。
プールが苦手な子ほど、「つらい」と言えたことを大切にしてあげたいですね。
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まとめ
- 目の表面は、涙の膜で守られています。
- プールの水が入ると、涙の膜が流れたり、水の成分と混ざったりします。
- そのため、目がチクチクしみることがあります。
- 目がしみるのは、がまんが足りないからではありません。
- 幼児さんは、「しみたね」と受け止めるところから始めます。
- 低学年は、プール後のチェックで次の準備を考えられます。
- 高学年は、涙の膜、消毒、シャワーの意味までつなげて考えられます。
プールの水が目にしみるのは、夏の水遊びで出会いやすい小さな困りごとです。
「平気にしなさい」ではなく、「どうしたら楽になるかな」と一緒に考えることで、子どもに合った参加のしかたを見つけやすくなります。


