夏になると、朝から「ミーンミーン」「ジージー」とセミの声が聞こえてきます。
子どもが耳をふさいだり、木の上を見上げたりしながら、こんなふうに聞くことがあります。
「セミは、どうしてあんなに鳴くの?」
セミの声は、夏を感じる身近な音です。一方で、音が大きくて苦手な子、どこにいるのか気になって落ち着かない子もいます。
この記事では、同じテーマを幼児向け・低学年向け・高学年向けの3段階に分けて紹介します。読み聞かせ、家庭学習、療育や支援の場で使いやすいように、声かけと活動例も入れました。
セミは、なぜ鳴くの?
大きな声で鳴くセミの多くは、オスです。オスのセミは、メスに自分の場所を知らせるために鳴きます。
セミは、口で歌っているわけではありません。おなかのあたりにある音を出すしくみを細かく動かして、あの大きな音を出しています。
つまり、セミの声は「夏の歌」というより、「ここにいるよ」と知らせるための大切な合図です。
幼児向け:まずは「聞こえたね」を楽しむ
親子の会話は、音まねからで大丈夫
幼児さんには、長い説明よりも、聞こえた音を一緒にまねする時間が合います。
セミの声が聞こえたら、こんなふうに話してみます。
- 「ミーンミーンって聞こえたね」
- 「木の上にいるのかな」
- 「夏の音だね」
- 「大きい音でびっくりしたね」
音が苦手な子には、無理に近づかなくて大丈夫です。窓を閉めて聞く、写真で見る、短い時間だけ外に出るなど、安心できる距離で楽しみます。
遊びの例:セミの声を探そう
外に出たら、セミの姿を探す前に「音の方向」を親子で探してみます。
- 右から聞こえるかな
- 左から聞こえるかな
- 近いかな、遠いかな
- 大きい音かな、小さい音かな
見つけられなくても、「聞こえた」で十分です。見つけることを目標にしすぎず、夏の音に気づく遊びにします。
低学年向け:短く説明して、観察してみよう
子どもに伝えるなら、このくらい
低学年の子には、理由を短くまとめると入りやすくなります。
大きく鳴くセミの多くはオスです。オスは、メスに「ここにいるよ」と知らせるために鳴きます。
セミは種類によって声が違います。朝に元気なセミ、昼に聞こえやすいセミ、夕方に聞こえるセミもいます。
やってみよう:セミの声メモ
セミの声を聞いたら、短いメモを残します。文字を書くのが苦手な子は、丸をつけるだけでも参加できます。
- 聞こえた時間は、朝、昼、夕方のどれ?
- 声は「ミーン」「ジー」「ツクツク」のどれに近い?
- 近くで聞こえた?遠くで聞こえた?
- 木の上、草むら、道のどこから聞こえた?
- 音の大きさは、平気、少し苦手、かなり苦手のどれ?
セミのぬけがらを見つけたら、さわらずに写真を撮るだけでも観察になります。持ち帰るときは、親が安全を確認してからにします。
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夏の観察メモをくり返し使いたいときは、紙をラミネートして、ホワイトボード用ペンで印をつける方法があります。音が苦手な子には、「平気」「少し休みたい」「イヤーマフを使う」などを絵シールで選べる形にすると、気持ちを伝えやすくなります。
高学年向け:少し詳しく、体のしくみを考える
セミは、口ではなくおなかで音を出す
人は、のどを使って声を出します。セミは、人と同じ出し方ではありません。
セミのおなかのあたりには、音を出すための薄い部分があります。そこを細かく動かして、空気をふるわせ、大きな音にしています。
体の大きさに比べて声が大きく聞こえるのは、体の中で音が響きやすいしくみを持っているからです。
鳴く時間や声は、セミの種類で変わる
セミの声は、みんな同じではありません。アブラゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシなど、種類によって声の感じが変わります。
聞こえやすい時間も少しずつ違います。朝に大きく聞こえる声、昼に目立つ声、夕方に聞こえる声を比べると、夏の一日を音で観察できます。
考えてみよう
- 同じ場所でも、朝と夕方で聞こえる声は変わる?
- セミは、どうして木の高いところにいることが多い?
- 大きな声を出すことには、どんなよいことがある?
- セミのぬけがらは、どんな場所に多い?
高学年の子には、「うるさい」で終わらせず、体のしくみ、種類の違い、時間帯の違いをつなげて考える活動もおすすめです。
家庭学習や支援の場で使うときの工夫
音が苦手な子には、逃げ道を先に用意する
セミの声は、子どもによってはかなり大きく感じます。観察の前に、休める場所や終わる合図を決めておくと安心です。
- 「3分だけ聞いたら戻る」と決める
- 耳をふさいでもよいことにする
- 静かな道を選ぶ
- イヤーマフや帽子を使う
- 外ではなく、録音や動画で短く聞く
がまんを目標にせず、「どのくらいなら大丈夫か」を一緒に探します。
観察は、見る・聞く・描くから選ぶ
虫が苦手な子もいます。セミの観察は、つかまえなくてもできます。
声を聞く、木を見る、ぬけがらを探す、絵に描く、写真を見比べる。子どもが安心できる方法を選ぶと、参加しやすくなります。
感想は、選べる形にする
「どうだった?」と聞かれると答えにくい子には、選択肢を用意します。
- おもしろかった
- 大きい音だった
- 少しこわかった
- 写真で見るほうが好き
- また短い時間だけ聞きたい
言葉で答えにくいときは、指さし、丸つけ、シールでも大丈夫です。
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まとめ
- 大きく鳴くセミの多くは、オスです。
- オスは、メスに「ここにいるよ」と知らせるために鳴きます。
- セミは口ではなく、おなかのあたりのしくみで音を出します。
- 幼児さんは、音まねや「聞こえたね」から始めます。
- 低学年は、時間、声の聞こえ方、場所をメモできます。
- 高学年は、体のしくみや種類ごとの声の違いまで考えられます。
セミの声は、夏に出会える大きな自然の合図です。
音が好きな子も、苦手な子もいます。子どもの感じ方を大切にしながら、「今、どこから聞こえたかな」と一緒に耳をすませるだけで、夏の学びにつながります。

