「好きな色を選んでね」
図工や制作の時間によくある、何気ないひとこと。でも、この「選ぶ」場面で固まってしまう子がいます。
この記事では、たくさんの中から1つを選ぶことが苦手な娘とのエピソードと、家庭でできる練習・工夫をまとめました。
イベントの受付で、泣いてしまった日
小学生の娘は、たくさんの中から1つだけ選ぶことが本当に苦手です。
お土産を買うときも、最後の2つまでは絞れるのに、そこから1つに決められず泣いてしまうことがよくありました。
先日、イベントに行ったときのこと。受付で、くまさんの形をした8色のカードから1枚選んで名前を書く場面がありました。何気ないワンシーンのはずが、娘はここで10分近く動けなくなり、最後は泣いてしまいました。
本人に聞くと、「どれも可愛くて、きめられなかった」。
ワークショップでつまずくことはあるかもと思っていましたが、まさか受付でつまずくとは思わず、私も焦りました。
選べないのは、わがままではありません
選択肢がたくさんあるのは、楽しいこと。でも、選ぶものが多いほど、頭の中で比べる作業は何倍にもふくらみます。
さらに「1つを選ぶ」ことは、「残りを全部あきらめる」ことでもあります。どれも可愛く見える子ほど、手放すのがつらくて決められなくなるのです。
この出来事で私が学んだのは、次の3つでした。
- 選ぶものが多いと、困る人もいる
- なんでもかんでも選ぶ場面を作ると、しんどくなる人もいる
- 選択できる場面は、本当に大事な場面だけにしておく
家庭でできる練習と工夫4つ
①選択肢を2つに絞ってあげる
「8色から1つ」ではなく、「赤と青、どっちにする?」。まず2択から始めると、選ぶ経験を安心して積めます。
②生活の中で「どっちにする?」の小さな練習をする
「りんごとバナナ、どっちにする?」「赤い服と青い服、どっちにする?」。毎日の小さな2択が、選ぶ力の練習になります。生活の場面で選ぶ練習ができる無料プリントも用意しています。
③「あとで変えてもいいよ」と伝える
「選んだら終わり」だと思うほど、決めるのが怖くなります。「今日はこっち、明日はあっちでもいいよ」と伝えると、気持ちが軽くなります。
④大事な場面だけ、選択にする
すべてを本人に選ばせなくて大丈夫です。急いでいる朝の服などは親が決めてしまい、選ぶ場面は余裕のあるときに。選ぶことがしんどい子には、それがやさしさです。
注意したい声かけ
「早く決めて!」と急かすと、頭の中がさらにいっぱいになって、ますます決められなくなります。決められずに泣いてしまったときは、「どれも素敵に見えたんだね」と気持ちをことばにしてあげてください。選べなかったことより、真剣に選ぼうとしていたことのほうが、ずっと大切です。
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選択肢を絵カードにして「2つだけ見せる」と、ことばで並べるより選びやすくなります。関わり方を学べる本とあわせてどうぞ。
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今日からできる小さな一歩
- 今日のおやつを「2つからどっちにする?」で聞いてみる
- 「あとで変えてもいいよ」を口ぐせにする
- 選ぶ場面を、本当に大事なときだけに減らす
選ぶのが苦手なのは、真剣に向き合っている証拠でもあります。小さな2択の「決められた!」を、少しずつ積み重ねていきましょう。

