掃除機をかけようとしたら、耳をふさいで泣き出してしまった。
チャイムの音がするたびにパニックになる。
教室の中がうるさくて、授業に集中できない。
「大げさなのかな」と感じることもあるかもしれません。でも、お子さんにとって、その音は本当につらいのです。
音に敏感な子どもは、「聴覚過敏」と呼ばれる状態にあります。自閉スペクトラム症(ASD)のあるお子さんに多く見られ、脳が音の情報をうまく処理できず、小さな音でも大きな不快感や恐怖として受け取ってしまいます。
「なぜそんな音が気になるの」と聞いても、本人にもうまく説明できないことがあります。「音が痛い」「耳に刺さる感じがする」と表現する子もいます。
どんな音が苦手になりやすいか
お子さんによって違いはありますが、よくあるのはこういった音です。
- 掃除機・ドライヤーなどの家電の音
- チャイムやベルの音
- 教室の中のざわざわした声
- 突然の大きな音(クラッカー、花火など)
- 冷蔵庫のモーター音、換気扇の音など日常的な音
「なんでこんな音が」と思うような音でも、お子さんにとっては毎日がストレスになっています。
家庭でできる3つの工夫
1. どの音が苦手かを把握する
まず、どんな音にどう反応するかを観察してみてください。
耳をふさいだとき、どこにいたか。何の音が鳴っていたか。
そのパターンが見えてくると、対策が立てやすくなります。
言葉で話せるお子さんには「どんな音がつらい?」と聞いてみてください。絵や表情カードを使って選んでもらう方法も効果的です。
2. 音を減らす・やわらげるグッズを使う
お子さんが安心して過ごすために、音の刺激を物理的に減らすことができます。
- イヤーマフ:外出先でも使いやすく、音全体をやわらげてくれる
- ノイズキャンセリングイヤホン:特定の音域をカットして集中しやすくなる
無理に使わせる必要はありません。「これをつけると楽になるよ」と伝えて、お子さんが安心できると感じたときに使える状態にしておくことが大切です。
家の中でも、扉の開け閉め音をフェルトで和らげる、掃除機は子どもがいない時間帯にかけるなど、小さな工夫が積み重なります。
3. 「逃げる場所」を作っておく
音がつらくなったときに、自分から移動できる「静かなスペース」を家の中に用意しておくと、お子さんの安心感が高まります。
特別な部屋でなくていいです。押し入れの中、ソファのうしろ、廊下の端でも。「ここに来たら落ち着ける」と感じられる場所があるだけで違います。
学校での対応:先生への伝え方
学校で音に困っているお子さんには、先生への情報共有がとても大切です。
伝えるときは、具体的に話すと動いてもらいやすくなります。
「チャイムの音で耳をふさいで固まります。なるべく事前に教えてもらえると助かります」
「給食の時間のざわざわが苦手で、食べられないことがあります」
家庭での様子も一緒に伝えると、先生もイメージしやすくなります。連絡ノートを使って日々の変化を共有していくのも効果的です。
「音に敏感」は直すものではありません
聴覚過敏は、その子の特性です。なくすものではなく、お子さんが安心して過ごせる環境を整えていくことが大切です。
年齢を重ねるうちに、少しずつ慣れてくる音もあります。以前は無理だった場所に行けるようになった、というお子さんもいます。
「自分のせいかな」と思わないでください。音に敏感なのは、誰のせいでもありません。
一人で抱え込まず、療育の先生や発達支援センター、学校の特別支援コーディネーターなどに相談することも、大切な一歩です。
おすすめアイテム
聴覚過敏のあるお子さんに役立つアイテムです。
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まとめ
音に敏感なお子さんには、「その音がつらいんだね」と受け止めることから始めてください。
苦手な音を把握して、グッズや環境を整える。
学校にも伝えて、家と学校でいっしょに支える。
逃げられる場所を作っておく。
全部一気にやらなくていいです。今日できる一つから試してみましょう。


