6月ごろ、道ばたや公園でアジサイを見かけると、子どもからこんな質問が出ることがあります。
「どうして青い花とピンクの花があるの?」
アジサイは、雨の季節に親子で観察しやすい花です。色の違いを見つけたり、同じ場所の花を何日か見たりするだけでも、子どもの「なんで?」を広げる学びになります。
この記事では、同じテーマを幼児向け・低学年向け・高学年向けの3段階に分けて紹介します。家庭での読み聞かせ、家庭学習、療育や支援の場で使いやすいように、声かけと活動例も入れました。
アジサイの色は、どうしていろいろあるの?
アジサイは、青、紫、ピンク、白など、いろいろな色の花に見えます。
色の違いには、花の種類だけでなく、育った土の性質も関係します。土の中の成分の影響で、青っぽく見えたり、赤やピンクっぽく見えたりすることがあります。
ただし、すべてのアジサイが同じように色を変えるわけではありません。品種によって、色が変わりにくいものもあります。
幼児向け:色を見つける親子の会話
まずは「きれいだね」で大丈夫
幼児さんには、むずかしい説明よりも、見たままを一緒に言葉にする時間が合います。
散歩中にアジサイを見つけたら、こんなふうに話してみます。
- 「青いアジサイ、見つけたね」
- 「こっちはピンクだね」
- 「同じお花なのに、色がちがうね」
- 「どの色が好き?」
答えがすぐに出なくても大丈夫です。指さしだけ、うなずくだけでも、子どもはよく見ています。
遊びの例:アジサイ色さがし
紙に丸を3つ描いて、青、紫、ピンクでぬっておきます。散歩で同じ色のアジサイを見つけたら、丸に印をつけます。
まだ文字を書くのがむずかしい子は、シールを貼るだけでも楽しめます。見る、選ぶ、貼るという流れが、手先の練習にもなります。
低学年向け:短く説明して、観察してみよう
子どもに伝えるなら、このくらい
低学年の子には、短い言葉で理由を伝えると入りやすくなります。
アジサイは、育った土のちがいで色が変わることがあるよ。土の中の成分の影響で、青っぽくなったり、ピンクっぽくなったりするんだよ。
ここで大切なのは、すぐに正解を覚えさせることではありません。「同じ花なのに、どうしてかな?」と気づけることが学びの入口です。
やってみよう:色マップを作る
近所のアジサイを見つけたら、色をメモします。
- 公園の入口は青
- 家の近くは紫
- 坂道のところはピンク
地図を正確に描かなくても大丈夫です。「右に青」「左にピンク」のように、ざっくりで十分です。
雨の日のあと、晴れた日、1週間後など、何回か見に行くと、花の色や元気さの変化にも気づきやすくなります。
※よその家の花や公園の花は、取らずに見るだけにします。写真を撮るときも、周りの人や家が写り込まないように気をつけます。
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観察カードを何度も使いたいときは、紙をラミネートして、ホワイトボード用ペンで印をつける方法もあります。雨の季節の散歩カードや、色さがしカードをくり返し使いやすくなります。
高学年向け:少し詳しく、土と色の関係を考える
花びらに見える部分は「がく」
アジサイの大きく色づいて見える部分は、花びらではなく「がく」という部分です。花を守る役目をもつ部分が大きくなり、青や紫、ピンクに色づいて見えます。
中心の小さな部分に、本当の花があります。近くで観察できる場所があれば、花全体を見たあとに、中心もそっと見てみましょう。
土の性質で色が変わる理由
アジサイの色には、土の酸性・アルカリ性と、土の中のアルミニウムという成分の動きが関係します。
酸性の土では、アジサイがアルミニウムを取りこみやすくなり、青っぽく見えやすくなります。アルカリ性に近い土では、アルミニウムを取りこみにくくなり、赤やピンクっぽく見えやすくなります。
ただし、色は土だけで決まるわけではありません。アジサイの種類、育つ場所、花の時期によっても変わります。「酸性なら必ず青」と一言で決めつけず、実際の花を見て考えるのが面白いところです。
考えてみよう
- 同じ株の中で、少し色が違う花はある?
- 日なたと日かげで、花の見え方は違う?
- 咲きはじめと終わりごろで、色は変わる?
- 写真に撮ると、目で見た色と同じに見える?
高学年の子には、「答えを一つにしない観察」もおすすめです。なぜそう思ったのかを言葉にすることで、理科の考え方につながります。
家庭学習や支援の場で使うときの工夫
言葉が出にくい子には、選べる形にする
「何色だった?」と聞かれると答えにくい子もいます。そんなときは、色カードを2〜3枚だけ出して、「どれに近い?」と選べる形にします。
言葉で答えなくても、カードを指す、同じ色に置く、シールを貼るだけで参加できます。
感覚が敏感な子には、無理に近づかない
雨の日のにおい、ぬれた道、虫の気配が苦手な子もいます。アジサイを見る活動は、近くまで行かなくてもできます。
写真で見る、窓から見る、絵本やカードで見る。子どもが安心できる距離から始めると、季節の学びを楽しみやすくなります。
活動を短く区切る
観察は長く続けなくても大丈夫です。
- 今日は青を1つ見つける
- 写真を1枚だけ撮る
- 帰ってから色を1つぬる
小さく終わると、「また見たい」という気持ちが残りやすくなります。
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まとめ
- アジサイは、青、紫、ピンクなど色の違いを楽しめる6月の花です。
- 幼児さんは、色を見つける親子の会話から始めます。
- 低学年は、色マップや観察カードで「見つける学び」にできます。
- 高学年は、土の性質やアルミニウムとの関係まで考えられます。
- 支援の場では、指さし、色カード、短時間の観察など、参加しやすい形にすると安心です。
アジサイの色のふしぎは、むずかしい理科の話にしなくても楽しめます。
まずは、親子で「今日は何色を見つけた?」と話すところから。雨の季節の散歩が、子どもの小さな発見につながります。

